第26回建交労中央委員会 発言
賃上げ闘争に関わって労働者階級の階級的自覚の重要性について
30%台の賃上げを実現した1970年代、私は20代でした。その時代の春闘と現在の春闘で大きく異なるのは、①労働組合の組織率、②労働組合間の連帯、③労働組合についての学習意欲です。
組織率は当時30%台でしたが現在は16%台です。私は漁業無線製造会社の企業別労働組合に所属していましたが、それでもライバルである同業他社の企業別労働組合とは「連絡会議」などをつくって交流していました。特に中小企業の場合は企業間競争があるので、大幅賃上げは横並びで闘わないと難しいのです。一社だけではたとえ上げられたとしても会社を窮地に追い込んでしまいます。
現在の春闘では、統一要求、統一行動が提起されますが、当時はそれにプラスして統一妥結基準が設定されていました。妥結基準に到達するまでストライキ等で闘い続けていました。自分たちの生活を守ると同時に企業間競争で不利にならないようにしたのです。
30%を超える物価上昇の影響は労働組合の結成を促進しました。賃上げ闘争をしないと生活していけなくなるので労働者は組合結成に必死でした。
20代の私は職場が代官山にあったので渋谷学習協の労働学校に通い労働組合について学んでいました。そのときの講師は全日自労委員長の中西五洲さん、運輸一般委員長の引間博愛さんでした。労働学校には渋谷区内の様々な業種の労働者がきていましたので、そういう人たちと顔見知りになりました。その中に八州測量の労働者もいました。1985年、群馬の測量会社で労働組合を結成するとき偶然ですが彼らに大変お世話になりました。
労働学校と並行して勤労者通信大学を受講していました。そのとき関西にものすごくレベルの高い学習集団があるとうわさされていました。それは関西生コンの労働者集団でした。
私にとっては不思議なことですが、現在これらは建交労という労働組合に統合されています。その運動は学習と相関関係にあるように見えます。大幅賃上げを実現しようとするなら、個別闘争ではなく労働者階級としての運動を模索していく必要があり、そのための本気の学習が必要です。
たとえば、2024年の「連合」による「春季生活闘争」は、大企業が莫大な利益を上げているにも関わらず、定昇込みで5.10%、定昇を除くと3%台の賃上げ率で妥結しました。物価上昇率は2.5%から2.8%と言われていましたので、実質ほぼ物価上昇分で妥結したと言っても過言ではありません。当然、中小企業はその率を上回ることができず、定昇込みで4.42%という結果に終わっています。本日の春闘方針書には、全労連・国民春闘共闘3.49%という記載があります。公表されている数字はすべて労働組合がある職場の集計結果です。労働組合のない圧倒的多数の職場の賃上げ状況は集計されていません。
つまり、財界と「連合」による「管理春闘」によって賃上げが抑制されているということです。労働者の生活よりも企業の収益に寄り添っているからこそ内部留保だけが増え続けるのです。この「管理春闘」にどのように対抗または打破していくのか、現状では非常に困難な課題ですが、避けて通れない課題です。私は労働者の「階級的自覚」の重要性を感じています。それは「学ばないと知ることができない」と勤通大の教科書に書かれています。方針にある「学習強化」を個人任せにせず、組織として制度化する必要があることを指摘し発言を終わります。