2024年11月14日トンネルじん肺集団訴訟第8陣一斉提訴
2024年11月14日、トンネル建設工事に従事し「じん肺」になったとして、元作業員と遺族が、工事を請け負ったゼネコンに対し患者50人分、計約16億4千万円の損害賠償を求めて全国6地裁に一斉提訴しました。
集団提訴は2022年2月以来で、今回が第8陣となります。患者数は地裁ごとに札幌9人、東京12人、新潟6人、福井8人、松山9人、熊本6人で、患者1人当たり慰謝料など3300万円の賠償を求めています。被告の元請けゼネコンは大手を含め計883社に上ります。
第8陣原告団長を務める前橋市の広沢裕俊さん(73)は、東京地裁に提訴後に都内で記者会見し、約35年間工事現場で働き、22年にじん肺の罹患が判明したと明かしました。「早期解決を果たせるよう準備を進めていたが、新潟の仲間は肺がんで亡くなった。一日も早い全員和解を求めたい」と訴えました。
これまでの集団訴訟は、全国で和解などにより終結しています。小野寺利孝弁護士は「訴訟を経ないでじん肺患者を救済できる立法的解決はいまだ実現されていない。これまで継続的に闘ってきたが、権利救済の最後の裁判にしたい」と強調しました。